ホーム > 歴代受賞者 > 第24回若山牧水賞(2019年)黒岩 剛仁
歴代受賞者
第24回若山牧水賞
受賞者
黒岩 剛仁
氏
昭和34年 大阪府生まれ
早稲田大学第一文学部卒業 |
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受賞作品 |
歌集『野球小僧
』(第3歌集)
◎発行所/ながらみ書房
◎発行年月日/令和元年6月19日
- ~自選15首~
- 四○○㎞先の母からの電話に「何か用?」そこが被災地であるとも知らず
- 新局長赴任して来る前日はパソコン画面に顔を呼び出す
- 七歳の双子の甥との野球盤気づかれぬよう負けるのも技
- 昔ホームラン王たりし人面痩せて帽子の大きさ目立つベンチに
- 十月の十日は平日仕事あり体育の日たりし面影もなく
- イチローの苦しむ様もまたよきか命取らるることのなければ
- 生涯初のカーブを父に投げ込みし野球場には芝生なかりき
- 後任は一歳下の先輩社員微妙な敬語を互に使いて
- 見上ぐれば高速道路背後には我が社のビルが坩堝にいたり
- 朝起きの苦手な部長で我が付けたる<半休ブレーブス>の渾名懐かし
- スマホなき一週間の疎外感<いじめ>受けたる中学生に似て
- 家系図の終点として吾はおり今年も咲けるソメイヨシノは
- 生ビール焼酎ロックを二杯ずつさらに日本酒は鯨飲なるや
- 悔いるべきはただ一つのみ子なきこと酒酌み交わす息子ありせば
- わが人生の昭和と平成比べつつ昭和の重さいかんともし難き
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作歌活動 |
短歌結社「心の花」会員
歌集:『天機』『トリアージ』 |