ホーム > 歴代受賞者 > 第24回若山牧水賞(2019年)松村 由利子
歴代受賞者
第24回若山牧水賞
受賞者
松村 由利子
氏
昭和35年 福岡県生まれ
西南学院大学文学部英文学科卒業 |
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受賞作品 |
歌集『光のアラベスク』(第5歌集)
◎発行所/砂子屋書房
◎発行年月日/令和元年5月1日
- ~自選15首~
- てのひらに森を包めば幾千の鳥飛び立ちてわが頬を打つ
- まれまれに真すぐなる美も在るこの世モーツァルト弾く午後は明るし
- パンのみにて生くる悲しみくらぐらとパン屋の一ダースは十三個
- 甘やかに雨がわたしを濡らすとき森のどこかで鹿が目覚める
- 地球脱出したしと思う夕まぐれイワトビペンギンの冠羽輝く
- ダーウィンの深き畏れは『種の起源』著すまでの二十三年
- 一年の半分以上が夏の島「全国」という国は遠かり
- ジョバンニが活字を拾っていた時代本はみっしり重たかったよ
- 地に落ちたマンゴー子らと拾いおり誰かの余生みたいな夕べ
- やわらかな響きよろしきニホニウム勇み立つとき「ニッポン」現る
- 全粒粉のパンみしみしと嚙んでおりメルケルは理論物理を学びき
- 人類の偉業ほきほき折れやすくパスタで作る建築見本
- わたしは木あなたは鳥と思うとき抱くことのない鳥のたましい
- 草原に置かれた銀の匙ひとつ雨を待ちつつ全天映す
- ピアノ弾く無心に空は澄みわたり十指の記憶するアラベスク
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受賞歴 |
平成6年 「白木蓮の卵」で第37回短歌研究新人賞受賞
平成17年 歌集『鳥女』で第7回現代短歌新人賞受賞
平成21年 『遠き鯨影』で第45回短歌研究賞受賞、『与謝野晶子』で第5回平塚らいてう賞受賞
平成22年 『31文字のなかの科学』で科学ジャーナリスト賞受賞
平成23年 歌集『大女伝説』で第7回葛原妙子賞受賞 |
作歌活動 |
短歌結社「かりん」会員
歌集:『薄荷色の朝に』『鳥女』『大女伝説』『耳ふたひら』
その他著書:『短歌を詠む科学者たち』など。 |