若山牧水賞【若山牧水賞運営委員会】

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ホーム > 歴代受賞者 > 第18回若山牧水賞(2013年)晋樹 隆彦

歴代受賞者

第18回若山牧水賞

受賞者 晋樹 隆彦 しんじゅ たかひこ

歌人・編集者
昭和19年 千葉県生まれ
法政大学文学部日本文学科卒業

晋樹 隆彦

© 長谷川裕一

受賞作品 歌集『浸蝕』(しんしょく)第4歌集
※歌集名の「蝕」は、正しくは「館」の食偏に「虫」。
◎発行所/本阿弥書店
◎発行年月日/平成25年8月29日
~自選15首~
佐原を過ぎ香取を過ぎて吹くかぜは大利根川の秋のはこびや
六十数キロの長浜をおもい浸蝕をおもい蓮沼(はすぬま)を過ぎ茫茫たりし
稜線のみはるかすまで秋雲の冷気するどくたなびきており
どの誌面も口語のうたのはびこりぬこれも浸蝕のことばの時代
「飲みながら癒していきましょう」医師のことば天の韻(ひび)きのごとく聞ゆる
A音のひびきもよけむ瀧嵐 ウグイを肴の夜々のしのばる
北条早雲の像と白木蓮の佇つ先ぞ高長寺には透谷ねむる
宮川の支流が街をゆっくりと流れて人は歩みを止める
ふるさとの砂丘が今や浸蝕に消えゆくころぞ活版活字も
犬吠埼へ行ってみようか君ヶ浜を散歩しようか菜のはな咲けば
ながらみもなめろうもある白里の小さき店に秋はふかまる
当たり馬券ポッケにいれて呑む酒の人生はさあり極楽ごくじょう
白里(しらさと)と呼ばるるごとし白砂に浜防風の皓きはな咲く
駅名のすがしき小田急線なるぞ開成栢山富水螢田(かいせいかやまとみずほたるだ)
若き日にこころやさしき無頼派と呼ばれしことも昨日のごとし
作歌活動 昭和37年「心の花」入会
現在「心の花」選歌委員
現代歌人協会会員

歌集:
『感傷賦』 『天心に帆』 『秘鑰』

エッセイ集:
『歌人片影』