ホーム > 歴代受賞者 > 第15回若山牧水賞(2010年)島田 修三
歴代受賞者
第15回若山牧水賞
受賞者
島田 修三
氏
昭和25年 神奈川県生まれ
早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期中退 |
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受賞作品 |
歌集『蓬歳断想録(ほうさいだんさうろく)』 第6歌集
◎発行所/短歌研究社
◎発行年月日/平成22年7月30日
- ~自選15首~
- 「てっきり秋も深まりました」と起こされて粗忽の書簡に秋さやかなり
- 俺の意図をあらかた誤解し臆すなき義の青年に励まされたる
- ゆふぐれを煙草くゆらせ放心にただよふ誰も来るなよ祟(たた)るぞ
- 夜のほどろ俺はめざめて冬の水の濛(くら)きにのみどを潤すかなや
- おいそこの学部長、寝てんぢやねえよとわが言はざれば静かなり会議
- きれぎれに雲ながれゆく朝空の下をさびしも屋根ある生活(たつき)は
- 豆腐売りを鍋もて追ひし日の暮れも遠くいづくか下駄の音聞こゆ
- 八月をソルジェニツィン逝き母が逝き有名無名に死はゆるぎなし
- 午後の陽にほどけるごとく黒猫の臥してをりしがしみじみ欠伸す
- フェアリィを肥満壮婦にはぐくみて風の春秋饒(ゆた)かに過ぎぬ
- 銭湯の入浴料金審議会といふものありて縹渺たり世は
- まんまろく音聞山(おとききやま)に浮く月のひかりをぞ浴び牛喰ひにゆく
- 重たければ突つ伏す机上に冬の陽(ひ)のあまねくこぼれ人生の午後
- 濃く淡くこころごころに闇を抱(いだ)く学生百の名を呼ぶかなや
- 詩に痩するといふこともなき歳晩の今宵を煮えて濃きブリ大根
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受賞歴 |
平成14年 歌集『シジフオスの朝』で第7回寺山修司短歌賞
平成20年 歌集『東洋の秋』で第6回前川佐美雄賞
平成21年 歌集『東洋の秋』で第9回山本健吉文学賞 |
作歌活動 |
昭和50年 「まひる野」入会
歌集:
『晴朗悲歌集(せいろうひかしゅう)』 『離騒放吟集(りそうほうぎんしゅう)』
『東海憑曲集(とうかいひょうきょくしゅう)』 『シジフオスの朝』 『東洋の秋』
評論集:
『古代和歌生成史論』 『「おんな歌」論序説』 |